未経験からフリーランスになるための基本ステップ【完全保存版】
全くの未経験からフリーランスとして仕事をしたいと思ってる人に向けて「どのように考えて仕事を選べば良いのか」についてまとめました。
ここでお伝えする内容はとても普遍的なものなので、どんなジャンルのフリーランスにも当てはまります。IT系を念頭に書いてはいますが、IT系以外の仕事を目指している人も活用できる内容になっています。
もし、あなたが「フリーランスとして働きたいけど、どんな仕事をするのが一番いいんだろう」とか「どういう基準で仕事を選べばいいんだろう」と思っているなら、ぜひ最後まで読んでください。
今あなたが抱えている、モヤモヤした悩みが無くなると思います。
フリーランスが仕事を選ぶための3ステップ
最初に結論をお伝えしておきます。
フリーランスとして正しい仕事の選び方は、次の3ステップになります。
①世の中で需要の高い仕事を洗い出し
②自分の適性やスキルを見極めて
③上の①と②が重なるジャンルを選択する
図にすると、下のようになります。
ここまで読んで「自分が今やるべき事が見えてきた」という方は、この先を読む必要はありません。
このページは閉じて、ご自身のやるべき事に今すぐ取り組んで下さい。
もっと詳しく知りたい方は、もう少しお付き合い頂ければと思います。
①需要の高い仕事を洗い出す
まず、いま需要が高い仕事を洗い出しましょう。
何のために洗い出すのかと言うと、私を含めたほとんどの人は、自分が経験した仕事(と、その関連領域)のことしか知らないからです。
そのためフリーランスになる時も、自分が知っている狭い範囲の中から選んでしまいがちです。
そうすると、どうしても良い選択の可能性が低くなってしまいます。
ここは面倒がらずに、学生時代にやった企業研究を思い出して、需要の高い仕事探しに取り組んで下さい。
このとき注意してほしいことがあります。それは、この段階では自分の希望や、できるかどうかは無視するということです。
可能性の話は後でやりますので、ここは「今は、どんな仕事が流行ってんだ?」ぐらいの気持ちでリストアップに集中して下さい。
需要が高い仕事とは
人手不足の時代です。コンビニの店員さんから救急車の隊員まで、いろんなところから人が足りないという声が聞こえてきます。
そういう意味では、かなりの仕事が「需要が高い仕事」状態にあると言っていいでしょう。
ただ、需要が高い仕事にも二種類あります。
①高いスキルが必要なため、できる人が相対的に少ない
②純粋に人が集まらない
今回、このどちらをリストアップしてもらっても構いません。
ただ、リストに入れた仕事が「なぜ需要が高いのか」については、確認しておいて下さい。
特に「②純粋に人が集まらない」の場合、報酬などの条件が良くなく、人が集まらないことで、結果的に「需要が高い仕事」に見えているだけというケースが少なくありません。
フリーランスとして、そういう仕事を選ぶとどうなるか。
もう想像はつくと思います。
私は若い頃、出版社で働いていました(正社員でした!)。
そこの先輩がフリーランスとして独立されたのですが、独立した先輩に久しぶりに会った時、こう言われたことがあります。
「いいか、タケウチ。フリーランスのフリーは自由のフリーじゃなくて、無料の方のフリーだからな」と。
安易にフリーランスにならないよう、私を諫めるために言って下さったのだと思います。
この言葉はその後も私の頭の片隅にあって、「フリー(無料)ランス」ではなく「フリー(自由)ランス」であるには、どう行動すべきかを考えるきっかけになっています。
需要のある仕事の調べ方
調べる方法としては
- 求人サイトや人材会社のWebサイトで探す
- 求人サイトに登録して、会員だけに公開されている求人を見る
- 「将来性のある仕事」「需要の高い職種」等で検索
- SNS
- 広告
- 書籍
など何でも構いません。
あとベタですが、一番おすすめなのが「人に聞く」です。
効率の良いやり方ではありませんが、メリットも大きいです。
- 実際に仕事をしていた人から聞ける
- 表には出てこない仕事について教えてもらえる
- ネットで調べた内容が本当はどうなのか確認できる
などです。
何人かに連絡をとって「いま需要が高い仕事って何がある?」と聞いてみて下さい。その人しか知り得ない貴重な話が聞けるでしょう。
フリーランスとして うまくやっている人に聞く
当然ですが、仕事は人がするものです。
なので、職種名だけをいくら集めても「そんな仕事が流行ってるんだな~」ぐらいで、正直ピンと来ません。
先ほど「人に聞く」というのを書きましたが、できれば是非「フリーランスとして、うまくやっている人」からも話を聞くようにして下さい。そして、その人がなぜ成功したのかをよく研究しましょう。
この他人の成功パターンを研究するというのは鉄板で、仕事探しに限らず
- 勉強やビジネス
- YouTubeやSNSの運営
- 人間関係
- 健康管理
などにも応用できる法則です。
よく言われるように「ダメな人ほど自分の頭だけで考えたオリジナルの方法でやろうとする」ものです(私もそうでした)。
その世界でトップクラスにいるならともかく、最初は成功者のパターンを研究して真似ることをためらってはいけません。
成功したフリーランスの人から話を聞くのであれば「この人のやり方のどの部分がパクれるかな」と考えながら話を聞きましょう。
まとめる
こうして調べた仕事は、必ずスプレッドシート(Excel)にまとめます。
この作業が非常に重要で、まとめたものを見ることで、はじめて需要の高い仕事の全体像をつかむことができます。
この話をすると「いくつ集めればいいのか」とよく聞かれるのですが、最低でも100コは集めましょう。
「そんなに集めるの⁈」と思ったかもしれませんが、大丈夫。
集まります。がんばりましょう!
私が作ったExcelのテンプレート「需要の高い仕事リスト.xlsx」をダウンロードできるようにしておきましたので、よかったら使って下さい。
繰り返しになりますが、たくさん集めることで初めて見えてくるものがあります。
私は仕事で企業データを収集・分析しています。
いつも思うのは「AIもいいけど、こうして地道に集めたものがやっぱり最強だな」ということです。
もちろんAIを使ってはいけないワケではありません。使った方が効率が良い場合も多いでしょう。
ただ、集めるプロセスの中でいろんな気づきがあり、それを省略するとダメだということです。
下の画像は、ある会社の競合データをまとめたものです(仕事リストではありませんが、最終的なイメージを固めてもらえればと思って掲載しました)。
まとめる中で、
「こんな仕事があるんだ」とか
「こっちの仕事の方が全然儲かるんだな」
など、あなたにしか見えないものがきっと見えてきます。
この段階で仕事(職種)を決めることもできますが、この時点では焦らず、まとめ作業に集中しましょう。
②自分のスキル・適性を見極める
需要の高い仕事リストができたら、次に
- あなたが過去に評価されたこと
- 人より得意だと周囲が認識していること
- 評価された制作物(デザイン・アプリ・SNSアカウントなど)
をリストにまとめて下さい。
履歴書や職務経歴書、スキルシートがあると思うので、それを見ながらの方が思い出しやすいかもしれません(無い人は過去を振り返りながら、スプレッドシートにリストアップしましょう)。
ここで大切なのは「自分が得意だと思っている」ではなく「周囲が得意だと(優れていると)認めている事」をまとめるという点です。
当然ですが、私たちの評価は周囲がするものです。
英語が得意でTOEICがハイスコアでも、誰もにも知られていなければ、全く英語ができない人と同じです。
逆に、あなた自身が「大したことない」と思っていても、周囲が評価しているのであれば、それは「得意なこと」「評価されている」と十分主張できます。
アイルランドの哲学者ジョージ・バークリーが投げかけた有名な問いに
「誰もいない森の中で木が倒れたら、音はするか?」
というものがあります。
この問いに対する答えは「音はしない」とされています。
音というのは、聞く人がいて初めて音になるためです。
こうした考えの背景には、世の中のものは認知されることで初めて存在するという考え方があります。
量子力学の分野でも、この考えが認められているようです。
私自身の経験から言えば、こうした「評価された得意なこと」は、自分でやってても楽しいし、ラクなことが多いです。
もし、自分の振り返りをやっていて「適性って?」「得意なことなんか無いのでは?」と迷ったときは「やってて楽なことは?」という視点で考えてみて下さい。
この手の話をすると「わたしにはスキルが無い」「得意なものなんか無い」といった意見をよく聞きます。
本人がそう言うのだから、簡単には否定できません。
ただ、そういう方に私がいつも言っているのは、仮にそうだとしても「今できることを何でもいいからリストアップして、そこからスタートしましょう」ということです。
多くの人はプログラミングやデザインといった分かりやすいものを「スキル」として考えがちですが、私に言わせれば、
- 日本語が話せる
- 簡単な料理なら作れる
- クルマの運転ができる
というのも十分スキル(得意なこと)です。
バカにしているわけではありません。
あなたが「できて当たり前」だと思っていることができない人もいるのです。
私は料理は全然ダメだし、クルマの運転はペーパードライバーでスキル以前の状態です(日本語は話せます)。
「今できること」をもう一度振り返ってみて下さいね。
③需要が高い仕事の中から、自分が得意なものを選ぶ
いよいよ最後のステップに来ました。
ここまでお疲れ様でした。
この段階まで来ると、あなたは
- 需要の高い仕事リスト
- 自分の適性・スキルの一覧
の両方が手に入っているはずです。
あとは、もう自由に選んでもらって構わないのですが「これだけは押さえておいてほしい」という点をまとめたので、ぜひ参考にして下さい。
自分一人で決める
最終的にジャンルを決めるときは、あなた一人で決めて下さい。
理由は、
- 人を介在させると過剰に影響を受ける
- 年長者の意見に合わせることになったりとか・・
- 自分に正直に(素直に)なれないで、見栄で決めたりしがち
- 仕事内容よりも報酬や肩書きを優先するのは間違いです
- 結果に自分で責任を負わなくなる
中でも最大の理由は③の「結果に自分で責任を負わなくなる」です。
フリーランスとしての活動を始めても、うまくいかない可能性の方がずっと高いです(特に最初の段階は)。
その時に他人と一緒に決めていると、自分で結果に完全に責任が持てなくなるものです。
相談でお世話になった人がいるなら、決めたあとで「◎◎をやってみることにしました」と事後報告だけしておけばOKです。
「やりたい事」より「やれる事」
「会社員の時はやりたいことができなかった。だから(やりたいことがやれる)フリーランスになる」というケースもあるでしょう。
完全には否定はしません。
ただ、フリーランスはプロとしての技量がそのまま問われます。
会社員の場合は、まだ会社の信用やブランドがありますが、フリーランスはそういったものは全くありません。
「やりたい事」=「やれる事」ならいいのですが、そうでないなら「やれるかどうか」を厳しめに見て判断することをお勧めします。
苦手なこと・経験値の低いものはやらない
苦手なことや経験が少ないものに手を出してはいけません。
「当たり前のことでは?」
そう思われたかもしれませんが、実はこれをやってしまう人が少なくありません。
私もそうでした。
なぜ、やろうとしてしまうのか。
一つには「できないことは学んで出来るようになるべき」という風潮があると思います。
「スキルアップ」「資格取得」「◎◎力」といった言葉が溢れ、私たちは「できないのは単なる勉強不足→できないなら勉強すればいい」と思わされています。
「今はできないが、勉強したらできるようになるのでは」等と安易に考えないようにしましょう。
もう一つは、あなたの中にある向上心です。
それ自体は素晴らしいことで、フリーランスとして活動しながら徐々に守備範囲を広げるのはいいでしょう。
しかし、最初の段階では確実にできることからスタートして下さい。
多くの場合、実績の有無を問われるので「経験無いけどやってくれ」という話は普通来ません。
しかし、案件がほしいあまりに大風呂敷を広げて「あれもできます。これも頑張ります」と言ってしまい、あとでヤバいことにならないよう注意しましょう。
おすすめの仕事が分かるのは、あなただけ
「おすすめの仕事はありますか?」と聞かれることがあります。
しかし、私は「おすすめの仕事」は紹介できません。
なぜなら「分からないから」です。
ここで最初の図にもう一度登場してもらいましょう。
私はこの左側については分かります(調べれば)。
でも、右側「②あなた自身の適性やスキル」については、分からないのです。
右側が分かるのは、あなただけです。
もちろん合わさった③を見つけることができるのも、あなただけです。
あなたに合った良い仕事が見つかることをお祈りしています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。